Nature ハイライト 光学:表面プラズモンを操作する 2009年8月27日 Nature 460, 7259 表面プラズモン(金属表面における電子密度のゆらぎ)をナノスケールで操作するナノプラズモニクスは、センシングや生物医学から画像化技術や情報技術に至る、さまざまな応用に大変革を起こす可能性がある。だがこれには、コヒーレントなプラズモン場を能動的に発生させる単純かつ効果的な方法が、まず必要である。これは、レーザーが光子を発生させ増幅するのと同じように、表面プラズモンを発生させ増幅するデバイスとして、2003年に初めて提案されたスペーザーを用いれば理論的に可能となる。今回Noginovたちは、金のコアと色素ドープシリカのシェルをもつ直径44 nmのナノ粒子を用いて、スページングを初めてはっきりと実験的に実証したことを報告している。この系は、レーザーがコヒーレント光子の誘導放出を起こすのと同じように、表面プラズモンの誘導放出を起こす。これを使って、これまでに報告された最小のナノレーザーが作られ、可視光波長で初めて動作させることができた。 2009年8月27日号の Nature ハイライト 発生:γ-グロビン発現への切り替え 宇宙:親星に近づき過ぎたホットジュピター 物理:人工グラフェンのもつスピン 光学:表面プラズモンを操作する 気候:インド太平洋暖水域の長期的な温度変化 発生:個性的な脳を作り上げる 細胞:p53はがんと幹細胞性を関連付ける 目次へ戻る