Nature ハイライト 気候:インド太平洋暖水域の長期的な温度変化 2009年8月27日 Nature 460, 7259 過去1,000年間の気候について行われた分解能の高い再構築のほとんどは、北半球の陸地の記録に重点を置いたものである。海洋の記録に基づく再構築はこれまでほとんどなく、ここ数世紀が対象とされていないことは極めて重大で、観測記録との比較を不可能にしていた。今回、新たにインド太平洋暖水域の海面水温データの再構築が行われ、計測器記録と部分的に重複する、過去2,000年にわたる記録が10年の分解能で得られ、代理指標データを計測器記録により直接較正し、20世紀の気候の変化傾向に照らして過去の気候変化を評価できるようになった。このデータは、最近の数十年間は異例に温暖だったものの、紀元1000〜1250年ごろの中世の温暖期に一般的だった温度と、統計的に区別できないことを示している。 2009年8月27日号の Nature ハイライト 発生:γ-グロビン発現への切り替え 宇宙:親星に近づき過ぎたホットジュピター 物理:人工グラフェンのもつスピン 光学:表面プラズモンを操作する 気候:インド太平洋暖水域の長期的な温度変化 発生:個性的な脳を作り上げる 細胞:p53はがんと幹細胞性を関連付ける 目次へ戻る