Nature ハイライト

進化:長生きおばあちゃんのひみつ

Nature 428, 6979

ほとんどの動物は死ぬまで繁殖を続けるが、人間の女性の多くは閉経後も長く生きる。動物界ではまれなこの現象を解明する糸口がつかめたようだ。 フィンランドとカナダの多世代にわたるデータを用いて、M Lahdenperäたちは、閉経後に長生きした女性ほど孫の数が多く、このため多くの遺伝子を後の世代に残すことを明らかにした。つまり、このような女性は、自分の子どもたちがより早い時期から子作りをはじめ、首尾よく育て上げるのを何度も繰り返すよう助けているのである。 この結果は、ある年齢に達した女性は、自身が新たに子どもを生むよりも、自分の子どもの子育てを助けた方が有利になるという「おばあちゃん仮説」を支持するものだ。これと呼応する結果として、著者たちは、祖母となった女性は自身の子が更年期に達した頃に死亡する確率が高いことも明らかにした。これについてはK HawkesがNews and Viewsでさらに詳しく解説している。

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