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医学:マウス卵巣が隠し持つ「予備兵力」

Nature 428, 6979

哺乳類の雌は生まれたときに一生分の卵細胞をすでに持つと長い間考えられてきたが、この見方は結局のところ正しくないのかもしれない。雌のマウスは、生まれた後でも新たな卵細胞を作り続けていることが明らかになり、半世紀以上も信じられてきた定説に疑問が投げかけられている。 今回の発見は、ヒトの女性も、男性と同様に一生の間生殖細胞を補充し続けていることを示唆しているとJ Tillyたちは述べている。Tillyたちは生殖期に達する前の雌マウスに卵細胞を殺す化合物を投与しておき、このマウスが成体となった後に依然として生殖力のある卵を作れる、つまり駄目になった卵の代わりとなる新たな卵を作れるということを示した。 同じことがヒトでも起こるなら、女性の生殖能力が30歳以降低下する理由を解明する手がかりになるかもしれない、とA SpradlingがNews and Viewsで述べている。これまで専門家は、40歳あるいは50歳どころでなく、なぜ30歳で卵の機能が衰え始めるのか、頭を悩ませてきた。今回の研究は、この生殖力低下の原因が、出生前にできた卵細胞の機能低下ではなく、「補充用」の生殖細胞の欠乏である可能性を示唆している。

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