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生態:原生林に忍び寄る地球環境変化

Nature 428, 6979

アマゾンの多雨林の植物構成は、伐採や火災といった人間活動に直接影響を受けない地域でも変化しつつある。大きくて成長の速い高木はしだいに、相対的に生育の遅い周りの高木より優勢になりつつあるという。 この変化は、大気中の二酸化炭素濃度が上昇しつつあるためではないかと、研究報告をしたW Lauranceたちは考えている。植物が生育するには二酸化炭素が必要であり、そのため、この20年で二酸化炭素濃度が上昇したことで、生育の速い高木種がライバルを押しのけて優位に立てるようになったらしい。 おそらく原生林だと思われる多雨林の樹木構成がこのように変化していくと、地球温暖化がさらに進んでしまうかもしれないと、Lauranceたちは警告している。多雨林は、植物組織に炭素を蓄えて大気中の二酸化炭素量を減らすことで、二酸化炭素による温室効果を抑制してくれると考えられている。だが、生育の速い高木は生育の遅い高木よりも生える密度が低く、したがって蓄えて隔離する炭素の量も少なくなってしまう可能性がある。

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