Nature ハイライト 医学:プリオン病の伝播 2009年9月24日 Nature 461, 7263 慢性消耗病(CWD)は、シカ科のアカシカやヘラジカなどのいくつかの種に神経変性を引き起こす、接触感染性が非常に高いプリオン病である。自然界におけるCWDの伝播機序の詳細は、いまだに明らかにされていない。この疾患の徴候が現れた動物の排泄物には、感染性をもつプリオンが含まれる場合があることが知られている。S Prusinerたちは、CWDに感染したミュールジカは、症状が現れるかなり前から、伝染性のプリオンを糞便中に排泄し始めることを明らかにしている。このことは、CWDがシカの間で高い発生率と強い水平感染力をもたらす自然的機序と思われるものを示唆しているばかりでなく、同じく接触感染するヒツジのスクレイピーにも関係があると考えられる。 2009年9月24日号の Nature ハイライト 細胞:発がん性をもつ前立腺細胞 宇宙:恒星は運動量を失う 気候:完新世の炭素循環 気候:変わりつつあるエルニーニョ 進化:進化は逆行しない 細胞:細胞も十人十色 医学:プリオン病の伝播 発生:単純なやり方で作られるモルフォゲン勾配 発生:活性酸素の有用な働き 目次へ戻る