Volume 461 Number 7263

Editorials

地球が人間のさまざまな活動をどの程度まで許容できるかの限界を議論することは、重要であり賢明だ。

p.447

doi: 10.1038/461447b

バイオバンクは、社会の理解を得るよう努めて、製薬業界との共同を進めるべきだ。

p.448

doi: 10.1038/461448a

News

米国立海洋大気庁(NOAA)のTAOブイのトラブルで、エルニーニョの予測に影響が。

p.455

doi: 10.1038/461455a

SPECIAL REPORT ドイツの総選挙でメルケル政権の連立相手が変わっても科学重視の姿勢は続くが、幹細胞研究の制限緩和など、政策には変化もあるだろう。

p.456

doi: 10.1038/461456a

個人レベルのゲノミクスの進展で、頻度の少ない遺伝子疾患が、ゲノム治療の関心の中心に。

p.458

doi: 10.1038/461458a

インドの野生動物保護区の地下に建設予定のニュートリノ実験施設に、環境保護派から反対が。

The elephant and the neutrino p.459

doi: 10.1038/461459a

THE BUSINESS OF BIOFUELS 巨大石油企業が、藻類バイオ燃料に期待を。

p.460

doi: 10.1038/461460a

News Features

ペリメーター研究所:物理学の最前線

p.462

論理物理学分野のリーダーをめざして意欲をみせる、カナダのペリメーター論理物理学研究所を訪ねる。

doi: 10.1038/460462a

中国の気候研究:曇り、時々科学

p.466

米中の研究者が20年前に大気汚染と粉塵の観測を共同で開始したが、これほど困難だとは誰も予想しなかった。

doi: 10.1038/461466a

News & Views

考古学:マヤ、クメール、インカ

p.479

過去の社会は、我々が現在悩まされているのと同じような環境問題と戦ってきた。熱帯地方の3つの文明が紀元後700〜1600年という時期になし得た結果を3つの研究が明らかにしている。

doi: 10.1038/461479a

発生生物学:ソース-シンクモデルの浮上

p.480

発生中の組織では、特定の細胞種がどこに形成されるかをシグナル伝達分子の勾配が指示しているのだが、このような勾配が形成される仕組みについてはまだ結論が出ていなかった。40年以上前にフランシス・クリックが提案したモデルが、その答えとなるかもしれない。

doi: 10.1038/461480a

気候変動:ひと味違うエルニーニョ

p.481

熱帯太平洋の海面の水温上昇と低下のパターンは、それによる大気への影響と共に変化しつつあるようだ。地球温暖化の進行は、エルニーニョ現象におけるこのような変化にもかかわっていると考えられる。

doi: 10.1038/461481a

化学生物学:活性化の現場をとらえる

p.484

プロテインキナーゼが、触媒部位から遠く離れたポケットに小型分子が結合することで活性化される仕組みが結晶構造から明らかになった。これにより、タンパク質リン酸化の調節因子設計への道が開けるだろう。

doi: 10.1038/461484a

宇宙物理学:恒星内部の状況は

p.485

地震学で地球内部を調べるのに使われる方法を借用して、白色矮星内部のこれまで知られていなかった回転状況が調べられた。

doi: 10.1038/461485a

発生生物学:評判がよくなった活性酸素種

p.486

活性酸素種は、がんなどの病気の発症にかかわるとされることが多かった。こうした悪い評判とは逆に、少なくともショウジョウバエでは、活性酸素種が免疫細胞の分化に必須であるらしい。

doi: 10.1038/461486a

ヒト遺伝学:インド人をつなぐ「見えない糸」を追う

p.487

インドにみられる人種が極めて多様なことを表す例の1つが、紙幣に15もの言語が使われていることだ。こうした集団の多様性の遺伝的な基盤が、全ゲノム解析によって明らかになった。

doi: 10.1038/461487a

Articles

集団遺伝学:インド人集団の歴史の再構築

Reconstructing Indian population history p.489

doi: 10.1038/nature08365

細胞:前立腺がんの起源細胞の1つである管腔上皮幹細胞

A luminal epithelial stem cell that is a cell of origin for prostate cancer p.495

doi: 10.1038/nature08361

Letters

宇宙:恒星の角運動量は白色矮星になる前に失われることの地震学的証拠

Seismic evidence for the loss of stellar angular momentum before the white-dwarf stage p.501

doi: 10.1038/nature08307

量子情報科学:ジョセフソン位相キュービットにおけるベル不等式の破れ

Violation of Bell’s inequality in Josephson phase qubits p.504

doi: 10.1038/nature08363

気候:完新世の炭素循環の変化に対する、南極氷床コアから得られた安定同位体による制約

Stable isotope constraints on Holocene carbon cycle changes from an Antarctic ice core p.507

doi: 10.1038/nature08393

気候:変化する気候におけるエルニーニョ

El Niño in a changing climate p.511

doi: 10.1038/nature08316

進化:グルココルチコイド受容体の進化の方向は上位の歯止め機構によって制限されている

An epistatic ratchet constrains the direction of glucocorticoid receptor evolution p.515

doi: 10.1038/nature08249

細胞:集団の状況により、エンドサイトーシスおよびウイルス感染における細胞ごとの変動が決定される

Population context determines cell-to-cell variability in endocytosis and virus infection p.520

doi: 10.1038/nature08282

発生:放射状皮質円柱内の複数のニューロンクローンのEphA–エフリンAシグナル伝達を介した統合

Integration of neuronal clones in the radial cortical columns by EphA and ephrin-A signalling p.524

doi: 10.1038/nature08362

医学:無症状のシカの糞便中に排泄される感染性プリオン

Asymptomatic deer excrete infectious prions in faeces p.529

doi: 10.1038/nature08289

発生:自由拡散する分子によるソース-シンク機構が形成するFgf8モルフォゲン勾配

Fgf8 morphogen gradient forms by a source-sink mechanism with freely diffusing molecules p.533

doi: 10.1038/nature08391

発生:活性酸素種はショウジョウバエ造血系前駆細胞の分化準備に働く

Reactive oxygen species prime Drosophila haematopoietic progenitors for differentiation p.537

doi: 10.1038/nature08313

細胞:RAF触媒作用活性化は二量体化に依存する機構によって誘導される

A dimerization-dependent mechanism drives RAF catalytic activation p.542

doi: 10.1038/nature08314

細胞:線虫の成熟マイクロRNAの活性は活発な代謝回転により調節されている

Active turnover modulates mature microRNA activity in Caenorhabditis elegans p.546

doi: 10.1038/nature08349

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