Nature ハイライト 化学:化学反応をX線で調べる 2009年10月1日 Nature 461, 7264 安定な結晶性化合物の構造解析に最も適した方法は、X線結晶構造解析である。しかし、不安定な反応中間体をこの方法で調べることは、その現在の能力を超えている。今回、川道赳英(東京大学)たちは、丈夫な多孔質ネットワーク材料を設計することで、この問題を解決した。このネットワーク材料は「反応媒体」として機能し、細孔内で化学変換が起こる。そこで、X線解析を使って、反応のさまざまな段階の「スナップショット」を撮ることができる。原理検証実験では、芳香族アミンが埋め込まれた多孔質ネットワークの構造がまず決定され、次いで、アルデヒド基質を多孔質材料内に拡散させて形成されたヘミアミナール中間体の構造、そして最後に、イミン生成物の構造が決定された。 2009年10月1日号の Nature ハイライト 気候:雲を解明するには 細胞:Wnt阻害剤の標的 医学:新しい抗結核治療法 宇宙:暗黒物質を照らす光 化学:化学反応をX線で調べる 地球:遠地地震が断層に与える影響 進化:羽毛のあるトロオドン類 細胞:ヒトiPS細胞をもっと簡単に作る 細胞:FasLの非アポトーシス作用 目次へ戻る