Nature ハイライト 発生:遺伝型と表現型の相関マップ 2010年3月25日 Nature 464, 7288 生物の遺伝子(遺伝型)と成体の形態(表現型)の関係は、1対1の対応で表されるような単純なものではない。そこには、さまざまな遺伝的要素や細胞間相互作用に依存した、非線形的な発生過程が介在している。今回I Salazar-CiudadとJ Jernvallは、よく研究された系である哺乳類の歯牙を用い、遺伝型と表現型の隔たりを埋める計算モデルを開発した。そして、幅広い形態変動がみられるアザラシの歯牙のデータを用いて、モデルパラメーターを1つ変動させるだけで、歯牙の形態変動の多くが説明できることを示した。この研究は、形態変動に(したがって進化に)対する遺伝子と発生の関与を解明するための一歩となるだろう。 2010年3月25日号の Nature ハイライト 代謝:起源の古い酸素生成経路 生理:静脈からできる動脈 脳:ヒト脳への進化 材料:「鍵と鍵穴」型自己集合 遺伝:ヒドラのゲノム 気候:土壌からの二酸化炭素放出量の増加 発生:遺伝型と表現型の相関マップ 遺伝:ニワトリと卵と肉の問題 植物:容易になった半数体植物の作製 目次へ戻る