Nature ハイライト

発生:遺伝型と表現型の相関マップ

Nature 464, 7288

生物の遺伝子(遺伝型)と成体の形態(表現型)の関係は、1対1の対応で表されるような単純なものではない。そこには、さまざまな遺伝的要素や細胞間相互作用に依存した、非線形的な発生過程が介在している。今回I Salazar-CiudadとJ Jernvallは、よく研究された系である哺乳類の歯牙を用い、遺伝型と表現型の隔たりを埋める計算モデルを開発した。そして、幅広い形態変動がみられるアザラシの歯牙のデータを用いて、モデルパラメーターを1つ変動させるだけで、歯牙の形態変動の多くが説明できることを示した。この研究は、形態変動に(したがって進化に)対する遺伝子と発生の関与を解明するための一歩となるだろう。

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