Nature ハイライト 代謝:起源の古い酸素生成経路 2010年3月25日 Nature 464, 7288 オランダの排水路の淡水性堆積物から分離された微生物で、亜硝酸および硝酸の還元に伴う嫌気的メタン酸化で酸素を生成するという、今まで知られていなかった経路が発見された。この反応を行う細菌の全ゲノムが組み立てられ、好気的メタン酸化の遺伝子が含まれることが明らかになった。この細菌は、一酸化窒素2分子を窒素と酸素に変換することによって亜硝酸を還元し、脱窒中間体として知られる亜酸化窒素を迂回している。この発見は、環境中の窒素およびメタン循環に関係するとともに、太古の地球に窒素酸化物が存在していたことから、酸素発生型光合成の出現以前に微生物が利用できる酸素供給があった可能性を提起している。 2010年3月25日号の Nature ハイライト 代謝:起源の古い酸素生成経路 生理:静脈からできる動脈 脳:ヒト脳への進化 材料:「鍵と鍵穴」型自己集合 遺伝:ヒドラのゲノム 気候:土壌からの二酸化炭素放出量の増加 発生:遺伝型と表現型の相関マップ 遺伝:ニワトリと卵と肉の問題 植物:容易になった半数体植物の作製 目次へ戻る