Nature ハイライト 医学:腸のウイルスメタゲノムの違い 2010年7月15日 Nature 466, 7304 ヒトの腸内微生物叢を構成する細菌は、多くの研究で注目されている。今回、ウイルスメタゲノム(virome)が初めて解読され、この微生物叢の複雑度がさらに深まることになった。これには、一卵性双生児とその母親というセット4組から得られた便標品より単離したウイルス様粒子が使われた。これまでの研究で、双生児とその母親は、遺伝学的に無関係な個体に比べると、便内細菌叢の類似性が高いことがわかっている。これに対してviromeは、遺伝的関係性の程度とは関係なく、個体独自のものであることがわかった。そして、各個体についてみると、研究が行われた1年の間、便のviromeはほとんど変化しなかったのである。 2010年7月15日号の Nature ハイライト 構造生物学:動いているリボソーム 医学:腸のウイルスメタゲノムの違い 宇宙:円盤を伴う大質量星 地球:ダイヤモンドの分布 環境:どこを保護区域にするか 医学:自閉症の遺伝学 視覚:盲視の経路 発生:左右軸の誘導 細胞:メチル化が寿命を延ばす 目次へ戻る