Nature ハイライト

医学:腸のウイルスメタゲノムの違い

Nature 466, 7304

ヒトの腸内微生物叢を構成する細菌は、多くの研究で注目されている。今回、ウイルスメタゲノム(virome)が初めて解読され、この微生物叢の複雑度がさらに深まることになった。これには、一卵性双生児とその母親というセット4組から得られた便標品より単離したウイルス様粒子が使われた。これまでの研究で、双生児とその母親は、遺伝学的に無関係な個体に比べると、便内細菌叢の類似性が高いことがわかっている。これに対してviromeは、遺伝的関係性の程度とは関係なく、個体独自のものであることがわかった。そして、各個体についてみると、研究が行われた1年の間、便のviromeはほとんど変化しなかったのである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度