Nature ハイライト 環境:どこを保護区域にするか 2010年7月15日 Nature 466, 7304 成果の上がらない自然保護区域は指定を解除し、浮いた資金を効果の高い別の場所に回すべきであるという意見は、自然保護活動家や地元のロビー団体になかなか受け入れられない。しかし、オーストラリアのほぼ7,000の保護区域の成果を調べた研究によれば、長期的にはこうしたやり方が最良の方策になると考えられる。土地の評価額当たりで最低レベルの保全価値しか生まない約70か所の保護指定を解除して売却すれば、約210億オーストラリアドル(約1兆6,000億円)が得られることになる。その資金を生物多様性保全戦略が高い効果を上げそうな区域に再投入すれば、同じ費用で今よりも高い保全効果が得られるはずである。また、保護区域への新たな資金投入の比率が世界的に低下し続けていることを考えれば、激しい土地開墾が進む中で最も価値や生産性の高い地域の保護が、これまでにもまして重要になると研究チームは示唆している。 2010年7月15日号の Nature ハイライト 構造生物学:動いているリボソーム 医学:腸のウイルスメタゲノムの違い 宇宙:円盤を伴う大質量星 地球:ダイヤモンドの分布 環境:どこを保護区域にするか 医学:自閉症の遺伝学 視覚:盲視の経路 発生:左右軸の誘導 細胞:メチル化が寿命を延ばす 目次へ戻る