Nature ハイライト 遺伝:ニューロンにおけるレトロ転位 2010年11月18日 Nature 468, 7322 L1レトロトランスポゾンは動的な調節を受けている活性なゲノム因子で、脳の発生期間を通じて、遺伝子発現やニューロンの機能に影響を及ぼしている。今回、げっ歯類モデルを使ったA Muotriたちの新たな研究によって、いくつかの神経発達障害にかかわると考えられているDNAメチル化調節因子MeCP2がないと、L1のレトロトランスポゾンとしての活性が上昇することが明らかになった。L1のレトロ転位が起こりやすくなるこのような傾向は、レット症候群患者から作製されたiPS細胞でも再現された。これらのデータは、疾患にかかわる遺伝的変異がL1のレトロトランスポゾンの活動に影響している可能性を示しており、分子神経疾患の理解がさらに一歩進んだといえる。 2010年11月18日号の Nature ハイライト 宇宙:WIMP発見の正念場 脳:ニューロン活動の順序を生み出す指令の連鎖 植物:植物ホルモンであるジャスモン酸の三者受容体 細胞:もう1つのDNA修復機構 物理:エンタングルメントの多ネットワーク化 材料:甲虫の外骨格をまねた新しいキラルネマチック材料 海洋:漁獲物に基づく漁業データでは予測を誤りかねない 進化:気候に決定される性 遺伝:ニューロンにおけるレトロ転位 目次へ戻る