Nature ハイライト 脳:ニューロン活動の順序を生み出す指令の連鎖 2010年11月18日 Nature 468, 7322 脳内でニューロン活動の順序を作り出す神経機構の実態は、神経科学における未解決の根本的疑問の1つである。鳴禽類は、脳の運動前野の個々のニューロンが、さえずりの動態に精密に時間を合わせた協調的なバースト発火をするので、この種の研究に好都合なモデル系となる。今回Longたちは、さえずり中の鳥のHVCニューロンで細胞内記録を行う巧みな手法を考案し、これを使ってバースト発生の2種類のモデルについて検討した。その結果、バースト開始の5〜10ミリ秒前に膜電位が急に脱分極することがわかった。これは、HVCニューロンがシナプスで連結して鎖状につながっているとするモデルと合致する。 2010年11月18日号の Nature ハイライト 宇宙:WIMP発見の正念場 脳:ニューロン活動の順序を生み出す指令の連鎖 植物:植物ホルモンであるジャスモン酸の三者受容体 細胞:もう1つのDNA修復機構 物理:エンタングルメントの多ネットワーク化 材料:甲虫の外骨格をまねた新しいキラルネマチック材料 海洋:漁獲物に基づく漁業データでは予測を誤りかねない 進化:気候に決定される性 遺伝:ニューロンにおけるレトロ転位 目次へ戻る