Nature ハイライト 宇宙:WIMP発見の正念場 2010年11月18日 Nature 468, 7322 素粒子物理学では、暗黒物質の問題を解決するために多くの説が提案されている。暗黒物質は宇宙の全物質の85%を占めているが、実際に何なのかはいまだにわかっていない。競い合う候補の中で、WIMP(weakly interacting massive particle)とよばれる弱く相互作用する重い粒子は、特に関心を集めている。それは、WIMPが素粒子物理学の標準モデルを拡張する新しい理論から自然に出てくるものだからだ。今週号のReviewでG Bertoneは、WIMP暗黒物質に試練の時が来たと考える理由を説明している。CERNの大型ハドロン衝突型加速器や、現在本格化しつつある新世代の宇宙素粒子実験で今後10年の間にWIMPを見つけられなければ、喧伝されていた物理学の新時代の到来は新世代の粒子衝突型加速器が登場する可能性があるほぼ20年後まで停滞することになると、彼は推測しているのだ。 2010年11月18日号の Nature ハイライト 宇宙:WIMP発見の正念場 脳:ニューロン活動の順序を生み出す指令の連鎖 植物:植物ホルモンであるジャスモン酸の三者受容体 細胞:もう1つのDNA修復機構 物理:エンタングルメントの多ネットワーク化 材料:甲虫の外骨格をまねた新しいキラルネマチック材料 海洋:漁獲物に基づく漁業データでは予測を誤りかねない 進化:気候に決定される性 遺伝:ニューロンにおけるレトロ転位 目次へ戻る