Nature ハイライト 植物:植物ホルモンであるジャスモン酸の三者受容体 2010年11月18日 Nature 468, 7322 オーキシンやジベレリン、アブシシン酸など、数個の重要な植物ホルモンの受容体が最近同定され、構造機能研究により、それらの作用機構が明らかになっている。今回、成長調節や発生、防御反応に中心的な役割を果たす植物ホルモンであるジャスモン酸を、植物細胞が認識する機構が報告された。ジャスモン酸受容体は、Fボックスタンパク質COI1とJAZ(JASMONATE ZIM-domain)転写リプレッサー、イノシトールペンタキスリン酸の3種類の分子からなる複合体である。これら3つの成分すべてが、高い親和性でホルモンが結合するのに必要とされる。ジャスモン酸認識のためのこの系は、ホルモンを媒介としたタンパク質相互作用に完全に依存しているが、今まで調べられたほかの植物ホルモンのとは異なる認識機構がかかわっている。 2010年11月18日号の Nature ハイライト 宇宙:WIMP発見の正念場 脳:ニューロン活動の順序を生み出す指令の連鎖 植物:植物ホルモンであるジャスモン酸の三者受容体 細胞:もう1つのDNA修復機構 物理:エンタングルメントの多ネットワーク化 材料:甲虫の外骨格をまねた新しいキラルネマチック材料 海洋:漁獲物に基づく漁業データでは予測を誤りかねない 進化:気候に決定される性 遺伝:ニューロンにおけるレトロ転位 目次へ戻る