Nature ハイライト 生理:糖尿病と肥満治療の新たな標的候補 2011年6月30日 Nature 474, 7353 肥満の2種類のマウスモデルの肝臓を使ったマイクロRNA(miRNA)マイクロアレイ解析から、肥満ではmiRNA-103とmiRNA-107の発現が増加していることがわかった。これらのmiRNAのサイレンシングにより、グルコース恒常性とインスリン感受性が改善される。また、肝臓あるいは脂肪でこれらのmiRNAを発現させるだけで、グルコース恒常性が障害される。インスリンシグナル伝達の調節にかかわるタンパク質のカベオリン1が、これらのmiRNAの直接の標的遺伝子である。このような知見は、これらのmiRNAがインスリン感受性を調節しており、2型糖尿病と肥満の治療の新たな標的候補であることを示している。 2011年6月30日号の Nature ハイライト 進化:進化過程で見られた徐々に進む変化 遺伝:海のファージと宿主がとっている「共存共栄」方式 宇宙:赤方偏移の記録を更新した明るいクエーサー 宇宙:エンセラダスプリュームの起源は塩水である 光学:単一原子から放出されるスクイーズド光 進化:初期の節足動物が備えていた複雑な眼 再生医学:心臓の修復 生理:糖尿病と肥満治療の新たな標的候補 医学:マクロファージはどうやってHIV-1感染を避けるのか 目次へ戻る