Nature ハイライト

宇宙:波によって加熱されるコロナ

Nature 475, 7357

アルベーン波は、イオンと磁場の振動が伝播していくもので、太陽コロナでは2007年に初めて検出されたが、振幅が小さすぎたため、コロナガスを数百万度まで加熱し、太陽風を毎秒数百キロメートルまで加速するエネルギーがどこから来るのかは謎のままだった。今回、遷移領域とコロナの観測結果から、静穏な大気全体にわたって外向きに伝播するアルベーン波的な運動が広く存在し、その振幅は毎秒20 km程度、周期は100〜500秒程度であることが明らかになった。これらの観測結果から、このコロナ波は大気全体を満たし、太陽大気外層のエネルギー収支に主要な役割を果たすのに十分強力であることが示された。

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