Nature ハイライト 細胞:マグネシウムのセカンドメッセンジャーとしての働き 2011年7月28日 Nature 475, 7357 マグネシウムイオンは哺乳類の細胞中に最も多量に存在する2価陽イオンであり、動物および植物ではATP、核酸、また多くの酵素にとっての必須の補因子である。マグネシウムが細胞内シグナル伝達で、カルシウムと同様にセカンドメッセンジャーとして機能しているのかどうかについては結論が出ていなかったが、今回得られた証拠によって、そうであることが示唆された。Liたちは、新規なX染色体性免疫不全症候群で細胞膜のマグネシウム輸送体MAGT1に生じている変異を明らかにし、T細胞受容体やEGF受容体によって引き起こされる応答で、マグネシウムがセカンドメッセンジャーとして機能することを示している。この結果から、MAGT1は新規な治療法の標的候補となると考えられる。 2011年7月28日号の Nature ハイライト 進化:始祖鳥が「始祖」ではなくなる? 細胞:マグネシウムのセカンドメッセンジャーとしての働き 宇宙:波によって加熱されるコロナ 物理:維持されたCPT対称性 環境:アラスカのツンドラの火事による炭素の大量放出 遺伝:遺伝子から人口の歴史を読み取る 脳:脳内の神経結合のマッピング 免疫:TH17細胞の隠し場所 細胞:EBI2のリガンドはオキシステロール類 目次へ戻る