Nature ハイライト 遺伝:遺伝子から人口の歴史を読み取る 2011年7月28日 Nature 475, 7357 ヒトの集団サイズの歴史は、ヒトの進化を解明するうえで重要である。LiとDurbinは、中国人、韓国人、ヨーロッパ人、ヨルバ人(西アフリカ)の全ゲノム塩基配列を用いて、100万年前から1万年前までの間の集団サイズの推定を試みた。その結果、ヨーロッパ人と中国人の集団サイズの変遷は、2万〜1万年前までは非常によく似ていたと推論された。ヨーロッパ人、中国人、アフリカ人の各集団はいずれも、25万年前から6万年前までの間に、有効集団サイズの上昇を経験していた。ゲノムの解析から、遺伝学的な意味での現生人類の分化は、12万〜10万年前には早くも始まっていた可能性が示された。 2011年7月28日号の Nature ハイライト 進化:始祖鳥が「始祖」ではなくなる? 細胞:マグネシウムのセカンドメッセンジャーとしての働き 宇宙:波によって加熱されるコロナ 物理:維持されたCPT対称性 環境:アラスカのツンドラの火事による炭素の大量放出 遺伝:遺伝子から人口の歴史を読み取る 脳:脳内の神経結合のマッピング 免疫:TH17細胞の隠し場所 細胞:EBI2のリガンドはオキシステロール類 目次へ戻る