Nature ハイライト

医学:ALSや認知症を伴うALSはユビキリン2が原因である

Nature 477, 7363

通常は致死性となる疾患の筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症する家族を5世代にわたって研究し、ユビキチン様タンパク質であるユビキリン2をコードするUBQLN2遺伝子の変異が、ALSおよび認知症を伴うALSの原因の1つであることが特定された。特に興味深いのは、ALS患者の脊髄と認知症を伴うALSの患者の脳で、UBQLN2変異の有無にかかわらず観察されたユビキリン2の病理変化を介して、家族性と孤発性のALSの関連が示されたことである。この新発見の病理変化により、ユビキリン2の異常がタンパク質分解経路の障害、タンパク質の異常な凝集および神経変性と関連付けられることが明らかになり、共通の発症機序の存在が示された。これは治療介入の標的となると考えられる。

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