Nature ハイライト 脳:自閉症に見られる脳のバランスの乱れ 2011年9月8日 Nature 477, 7363 ある1つのモデルによると、自閉症や統合失調症などの疾患で見られる社会性障害や情緒障害の原因となる細胞レベルの障害は、特定の神経系での興奮性活動と抑制性活動の不均衡だとしている。これまで、この考えを直接検証する手段はなかったが、今回、光学特性と時間特性の異なる2つの光遺伝学手法が開発されたことで、複雑に絡み合った2つのニューロン群を選択的に制御することが可能になり、仮説の検証に一歩近づいた。新開発のオプシンを使って、マウスの前前頭皮質で興奮のほうを相対的に高めてやると、社会行動や学習行動に障害が生じることがわかった。これは、ある種の神経精神症状に関する細胞の興奮/抑制の差、つまり興奮/抑制バランス仮説を裏付ける結果である。 2011年9月8日号の Nature ハイライト 脳:自閉症に見られる脳のバランスの乱れ がん:BRCA1の変異はゲノム不安定性につながる 宇宙:電波ジェットとブラックホールの関係 宇宙:銀河中心のセファイド変光星 物性:電荷ストライプ秩序と超伝導 地球:地球のレイトベニア仮説を後押しする証拠 遺伝:タラは免疫で我が道を行く 医学:ALSや認知症を伴うALSはユビキリン2が原因である 免疫:アレルギーにおけるTSLPの役割 目次へ戻る