Nature ハイライト 遺伝:タラは免疫で我が道を行く 2011年9月8日 Nature 477, 7363 タイセイヨウマダラのゲノム塩基配列が解読され、ゲノム解析により、その免疫系が他の脊椎動物のものと大きく異なっていることが明らかになった。主要組織適合複合体(MHC)IIが失われており、MHC II機能に不可欠な他の遺伝子もいくつか失われているのだ。しかし、MHC I遺伝子の数は大きく増えており、またToll様受容体ファミリーは特有の構成になっている。このように適応免疫と自然免疫の両方に代償的な変化が見られることから、タラの疾患感受性は他のほとんどの脊椎動物と同程度だと考えられる。これらの知見は、脊椎動物の免疫進化について現在受け入れられているモデルに疑問を投げかけるものであり、また、水産養殖での疾患対策用の標的型ワクチン開発を促進するかもしれない。 2011年9月8日号の Nature ハイライト 脳:自閉症に見られる脳のバランスの乱れ がん:BRCA1の変異はゲノム不安定性につながる 宇宙:電波ジェットとブラックホールの関係 宇宙:銀河中心のセファイド変光星 物性:電荷ストライプ秩序と超伝導 地球:地球のレイトベニア仮説を後押しする証拠 遺伝:タラは免疫で我が道を行く 医学:ALSや認知症を伴うALSはユビキリン2が原因である 免疫:アレルギーにおけるTSLPの役割 目次へ戻る