Nature ハイライト

遺伝:タラは免疫で我が道を行く

Nature 477, 7363

タイセイヨウマダラのゲノム塩基配列が解読され、ゲノム解析により、その免疫系が他の脊椎動物のものと大きく異なっていることが明らかになった。主要組織適合複合体(MHC)IIが失われており、MHC II機能に不可欠な他の遺伝子もいくつか失われているのだ。しかし、MHC I遺伝子の数は大きく増えており、またToll様受容体ファミリーは特有の構成になっている。このように適応免疫と自然免疫の両方に代償的な変化が見られることから、タラの疾患感受性は他のほとんどの脊椎動物と同程度だと考えられる。これらの知見は、脊椎動物の免疫進化について現在受け入れられているモデルに疑問を投げかけるものであり、また、水産養殖での疾患対策用の標的型ワクチン開発を促進するかもしれない。

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