Nature ハイライト Cover Story:ゲノムの均衡:低体重は肥満と表裏の関係 2011年10月6日 Nature 478, 7367 低体重と肥満は、どちらも健康上の重大なリスクになる。肥満はいくつもの遺伝的変異と関連付けられているが、低体重の遺伝的基盤はほとんど知られていない。欧州と北米にある28の細胞遺伝学センターから集めたデータの大規模スクリーニングによって、低体重には16番染色体の短い領域の重複が関係している場合が多いことが明らかになった。この染色体領域の欠失は、すでに肥満と関連付けられている。今回観察された、この領域が関係する表現型は、この遺伝子座に欠失を持つ場合に見られる表現型の逆、つまり鏡像であり、重複領域内にある遺伝子の転写産物レベルの変化と相関していたが、周辺領域の遺伝子との相関は見られなかった。これらのことから考えて、重度の肥満と低体重の原因は鏡像的な関係にあり、おそらくエネルギー収支に及ぼす対照的な影響によるものと考えられる。(Letter p.97) 2011年10月6日号の Nature ハイライト 医学:血液疾患のRNAスプライシング異常 発生:ヒト卵母細胞は体細胞を多能性状態へ再プログラム化する 物理:色付きになったブラウン運動 遺伝:血圧への遺伝的影響 医学:エンドヌクレアーゼGと心疾患 植物:フロリゲンに対するジャガイモの反応には2種類ある 医学:アンチセンスで運動ニューロン疾患のSMN2を救済 医学:アンチセンスで筋ジストロフィーの原因となるfukutin遺伝子の異常も救済 目次へ戻る