Nature ハイライト 医学:アンチセンスで運動ニューロン疾患のSMN2を救済 2011年10月6日 Nature 478, 7367 脊髄性筋萎縮症(SMA)は運動ニューロン疾患の1つで、運動ニューロンの生存に必要なSMN1と呼ばれる遺伝子の変異が原因である。ヒトには重複遺伝子のSMN2があるが、この遺伝子はほとんど発現しない。有望な治療法の1つは、このSMN2の発現を高めるというものだ。これまで、治療効果を得るには脊髄運動ニューロンでのSMN2の発現増大が必要だろうと考えられてきた。ところが、SMAのマウスモデルで、SMN2のスプライシング異常を修復するアンチセンス・オリゴヌクレオチドの末梢皮下注射が、脳への直接投与に比べてはるかに強力な治療法になることが明らかになったのである。意外なことに、SMAの長期救済には末梢での救済が不可欠なことがわかり、また、バイオマーカーから肝臓がSMA発症に重要な役割を持つことが示唆された。 2011年10月6日号の Nature ハイライト 医学:血液疾患のRNAスプライシング異常 発生:ヒト卵母細胞は体細胞を多能性状態へ再プログラム化する 物理:色付きになったブラウン運動 遺伝:血圧への遺伝的影響 医学:エンドヌクレアーゼGと心疾患 植物:フロリゲンに対するジャガイモの反応には2種類ある 医学:アンチセンスで運動ニューロン疾患のSMN2を救済 医学:アンチセンスで筋ジストロフィーの原因となるfukutin遺伝子の異常も救済 目次へ戻る