Nature ハイライト

医学:アンチセンスで運動ニューロン疾患のSMN2を救済

Nature 478, 7367

脊髄性筋萎縮症(SMA)は運動ニューロン疾患の1つで、運動ニューロンの生存に必要なSMN1と呼ばれる遺伝子の変異が原因である。ヒトには重複遺伝子のSMN2があるが、この遺伝子はほとんど発現しない。有望な治療法の1つは、このSMN2の発現を高めるというものだ。これまで、治療効果を得るには脊髄運動ニューロンでのSMN2の発現増大が必要だろうと考えられてきた。ところが、SMAのマウスモデルで、SMN2のスプライシング異常を修復するアンチセンス・オリゴヌクレオチドの末梢皮下注射が、脳への直接投与に比べてはるかに強力な治療法になることが明らかになったのである。意外なことに、SMAの長期救済には末梢での救済が不可欠なことがわかり、また、バイオマーカーから肝臓がSMA発症に重要な役割を持つことが示唆された。

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