Nature ハイライト 遺伝:血圧への遺伝的影響 2011年10月6日 Nature 478, 7367 高血圧の遺伝的基盤の解明は、他のありふれた多因子疾患と比べて著しく難しいことがわかっている。今回、ヨーロッパ系の20万人を対象とする多段階の全ゲノム関連研究から、血圧の遺伝学的全体像のうちまだ不明な詳細の一部が明らかになった。この研究で、血圧に関連する遺伝子座が16個見つかったが、既知の、もしくは関係があると推定されていた血圧調節遺伝子が含まれていたのは、そのうちの6個だけだった。今回同定された多型と、高血圧、左心室壁の厚さ、脳卒中および冠動脈疾患との間には関連が見いだされたが、腎疾患や腎機能との関連は見られなかった。東アジア系、南アジア系およびアフリカ系の7万5,000人以上のデータとの比較から、ヨーロッパ系の人々で同定されたこれらの多型の多くは他の集団においても血圧に影響を与えていることが確認された。 2011年10月6日号の Nature ハイライト 医学:血液疾患のRNAスプライシング異常 発生:ヒト卵母細胞は体細胞を多能性状態へ再プログラム化する 物理:色付きになったブラウン運動 遺伝:血圧への遺伝的影響 医学:エンドヌクレアーゼGと心疾患 植物:フロリゲンに対するジャガイモの反応には2種類ある 医学:アンチセンスで運動ニューロン疾患のSMN2を救済 医学:アンチセンスで筋ジストロフィーの原因となるfukutin遺伝子の異常も救済 目次へ戻る