Nature ハイライト 物性:4番目はフェロトロイディシティ 2007年10月11日 Nature 449, 7163 フェロイック材料、つまり強磁性体、強誘電体、強弾性体の特徴となる性質は、それぞれ磁化、電気分極、弾性歪みに基づいてドメインを形成することである。こうした性質のため、これらの材料は、例えば強誘電性メモリやハードディスクに書かれた強磁性ドメインなどのデータ記憶に、技術的に非常に重要なものとなっている。しかし、フェロイック秩序の第4の形態が存在することは、磁気渦の規則正しい配列、すなわち「トロイディゼーション(toroidization)」に基づいて予測されていた。今回、フェロトロイディシティと呼ばれるこの第4形態の必要条件の1つが、フェロトロイディック配向が正反対のドメインの形で観察された。フェロトロイディック・ドメインはリン酸コバルトリチウム(LiCoPO4)で光学的に観察され、独立した反強磁性ドメインと共存していた。このフェロトロイディック状態は、時間・空間反転のもとでの挙動が非対称であるという点で、他の形態のフェロイック秩序と異なる。この非対称性は、将来の応用にエキサイティングな可能性をもたらすかもしれない。 2007年10月11日号の Nature ハイライト 気候:湿潤化する気候 遺伝:道の分かれ目 医学:RNAi治療が復活? 医学:マイクロRNAと転移の関係 宇宙:ダマスカスへの道の向こうに見えたもの 物理:位相を正確に計る方法 物性:4番目はフェロトロイディシティ 細胞:アドレナリン性の炎症 神経:神経伝達物質の輸送 目次へ戻る