Nature ハイライト 細胞:アドレナリン性の炎症 2007年10月11日 Nature 449, 7163 マクロファージや好中球のような食作用をもつ血液細胞が、カテコールアミン(ノルアドレナリンやアドレナリン)の重要な産生源であり、急性炎症反応を増強することがあることがわかった。これは意外な結果である。外傷や感染に対して体が起こす炎症反応は、体を保護し、損傷前の状態に戻すように仕組まれているが、過剰な炎症反応は組織や器官に重大な傷害を与えることがある。ラットやマウスの急性肺傷害モデルでの実験により、副腎髄質およびシナプスニューロンに加え、食細胞が、アドレナリン作動系の3番目の構成要素として実際に機能しうるとわかった。この知見によって、アテローム性動脈硬化、急性虚血性心傷害、急性肺傷害で認められるような望ましくない炎症反応が、ヒトでアドレナリン受容体の遮断によって抑制される可能性がでてきた。 2007年10月11日号の Nature ハイライト 気候:湿潤化する気候 遺伝:道の分かれ目 医学:RNAi治療が復活? 医学:マイクロRNAと転移の関係 宇宙:ダマスカスへの道の向こうに見えたもの 物理:位相を正確に計る方法 物性:4番目はフェロトロイディシティ 細胞:アドレナリン性の炎症 神経:神経伝達物質の輸送 目次へ戻る