Nature ハイライト

細胞:アドレナリン性の炎症

Nature 449, 7163

マクロファージや好中球のような食作用をもつ血液細胞が、カテコールアミン(ノルアドレナリンやアドレナリン)の重要な産生源であり、急性炎症反応を増強することがあることがわかった。これは意外な結果である。外傷や感染に対して体が起こす炎症反応は、体を保護し、損傷前の状態に戻すように仕組まれているが、過剰な炎症反応は組織や器官に重大な傷害を与えることがある。ラットやマウスの急性肺傷害モデルでの実験により、副腎髄質およびシナプスニューロンに加え、食細胞が、アドレナリン作動系の3番目の構成要素として実際に機能しうるとわかった。この知見によって、アテローム性動脈硬化、急性虚血性心傷害、急性肺傷害で認められるような望ましくない炎症反応が、ヒトでアドレナリン受容体の遮断によって抑制される可能性がでてきた。

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