Nature ハイライト

神経:神経伝達物質の輸送

Nature 449, 7163

最近発表された構造生物学の画期的な論文により、Na+/Cl依存性神経伝達物質輸送体の細菌における相同体であるLeuTの結晶構造が解明された。この相同体では、輸送体が2つのナトリウムイオンと1つの基質分子に結合する。このファミリーに属する、真正の神経伝達物質輸送体では、塩素イオンがナトリウムおよび神経伝達物質と一緒に輸送される。Zomotたちは、LeuTおよび全く別のファミリーに属する塩素イオン輸送体の構造と機構に関する知識を、哺乳類のGAT-1などの神経伝達物質-ナトリウム共輸送体(NSS)に適用した。輸送される塩素イオンは、ナトリウムイオンにより運ばれる正電荷を中和しており、塩素イオンの結合部位の位置がナトリウムイオンの1つのちょうど隣だと考えられることが明らかとなった。これらの輸送体は神経伝達の調節に関与し、プロザック(フルオキセチン)などの薬物の作用部位となるので、その輸送の仕組みは特に注目される。

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