Nature ハイライト 神経:神経伝達物質の輸送 2007年10月11日 Nature 449, 7163 最近発表された構造生物学の画期的な論文により、Na+/Cl−依存性神経伝達物質輸送体の細菌における相同体であるLeuTの結晶構造が解明された。この相同体では、輸送体が2つのナトリウムイオンと1つの基質分子に結合する。このファミリーに属する、真正の神経伝達物質輸送体では、塩素イオンがナトリウムおよび神経伝達物質と一緒に輸送される。Zomotたちは、LeuTおよび全く別のファミリーに属する塩素イオン輸送体の構造と機構に関する知識を、哺乳類のGAT-1などの神経伝達物質-ナトリウム共輸送体(NSS)に適用した。輸送される塩素イオンは、ナトリウムイオンにより運ばれる正電荷を中和しており、塩素イオンの結合部位の位置がナトリウムイオンの1つのちょうど隣だと考えられることが明らかとなった。これらの輸送体は神経伝達の調節に関与し、プロザック(フルオキセチン)などの薬物の作用部位となるので、その輸送の仕組みは特に注目される。 2007年10月11日号の Nature ハイライト 気候:湿潤化する気候 遺伝:道の分かれ目 医学:RNAi治療が復活? 医学:マイクロRNAと転移の関係 宇宙:ダマスカスへの道の向こうに見えたもの 物理:位相を正確に計る方法 物性:4番目はフェロトロイディシティ 細胞:アドレナリン性の炎症 神経:神経伝達物質の輸送 目次へ戻る