Nature ハイライト

医学:マイクロRNAと転移の関係

Nature 449, 7163

通常は胚の一部分から他の部分への細胞の移動を促進する働きをしていると考えられている種類のマイクロRNAが、悪性度の高いヒト乳癌中に高レベルで発現し、乳癌細胞の移動、浸潤、および転移に関与していることが明らかになった。マイクロRNAは、本来的に体内に存在し、遺伝子制御に関与する一本鎖RNA分子で、以前から癌の発生に関連すると考えられてきたが、今回初めて転移との関連が報告された。このマイクロRNAの作用標的は、胚発生の方向づけに関与するHox遺伝子ファミリーの1つであるHOXD10遺伝子であるらしい。

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