Nature ハイライト 宇宙:赤色巨星最後のあえぎ 2012年4月12日 Nature 484, 7393 中間質量の星は、その一生の終わりに近づくと、質量の多くをガスと塵の形で、低速で高密度の星風に放出することにより失っていく。このようなアウトフローを駆動する基本過程は、そうした放出物質の観測が困難なこともあって、ほとんど解明されていない。Norrisたちは、干渉画像法と高精度微分偏光計測法を組み合わせた革新的な手法を使って、3つの赤色巨星を観測した。それらの画像から、星の周囲には塵の殻があり、その半径は、星の半径の2倍未満と著しく小さいこと、またこれらの殻は、半径ほぼ300ナノメートルの予想外に大きな塵粒子からできていることが明らかになった。これらの観測結果は、星の光の吸収ではなく、散乱による塵粒子の加速に基づく星風駆動モデルを裏付けていると、Norrisたちは考えている。 2012年4月12日号の Nature ハイライト 神経:軸索の標的決定にかかわるタンパク質Teneurin 構造生物学:細胞分裂で染色体を折半する仕組み 宇宙:赤色巨星最後のあえぎ 材料:窒化物半導体のリフトオフ法に向けた第一歩 気候:人為起源のエアロゾルが気候へ与える影響 細胞:走化性を応答調節因子レベルに合わせて微調整する 医学:子癇前症にcorinが果たす役割 細胞:テロメラーゼ合成の初期段階 生化学:ビタミンB12によるメチル基転移 目次へ戻る