Nature ハイライト

材料:窒化物半導体のリフトオフ法に向けた第一歩

Nature 484, 7393

転写後の縦型LEDの青色エレクトロルミネッセンス。
転写後の縦型LEDの青色エレクトロルミネッセンス。 | 拡大する

Credit : Kobayashi, et al.

窒化物半導体は、優れた電子的・光学的特性に定評があり、ブルーレイプレイヤーをはじめとする多くの光学デバイスに最適な材料である。しかし、窒化物半導体には実用上重大な短所がある。窒化物半導体を成長させることのできる基板の種類(一般的にはサファイアが使われる)が非常に限られているのだ。このため、窒化物半導体材料をある基板から別の基板へと転写する新しい方法の探索が盛んに行われてきた。今回、小林康之(NTT物性科学基礎研究所)たちは、窒化ガリウム系デバイスを用い、初期成長表面にきわめて薄い六方晶窒化ホウ素層を形成することによって窒化物構造の直接の機械的剥離が容易になり、さらに剥離後には、金属、ガラス、透明プラスチックなどの目的にあった基板へと転写できることを実証した。

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