Nature ハイライト

地球:炭素シンクは確実に維持されている

Nature 488, 7409

NOAAの大気サンプリングシステム(南極パーマー基地にて撮影)。
NOAAの大気サンプリングシステム(南極パーマー基地にて撮影)。 | 拡大する

Credit: NOAA/ESRL

現在の陸域と海洋の炭素シンクの状態は、炭素循環が気候変動にどのように応答するかということと密接な関連を持っているので、活発な議論の的になっている。現在の二酸化炭素放出量の約半分は、陸域と海洋の炭素シンクに吸収されている。モデル研究では、炭素シンクによる吸収は将来減少し、炭素と気候のフィードバックは正となると予想されており、最近のいくつかの研究では、陸域と海洋の炭素シンクが衰え始めていることが示唆されている。今回、著者たちは、大気中二酸化炭素のよく絞り込まれた観測結果、人為的排出の見積もりとその不確かさの厳密な解析に着目し、全球質量収支手法を用いて、全球炭素循環を精査した。その結果、実際には炭素シンクは過去50年間に倍増しており、著しく増加し続けていることがわかった。2010年時点では、炭素吸収が全球規模で減少し始めている徴候は見つからなかった。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度