Nature ハイライト
細胞:DNA一本鎖上でのRecAの働き
Nature 491, 7423
DNA損傷や停止した複製フォークの相同性組み換えによる修復では、その初期に鎖交換タンパク質RecAによって相同DNAが対を作る段階がある。大腸菌のRecAは、少数のサブユニットが集まって一本鎖DNA(ssDNA)に結合して核形成し、その後伸長してタンパク質–DNAフィラメントを形成する。これまでは、単一分子実験で容易に使えるssDNAの作製が難しかったために、ssDNA上でのRecAの集合のようすを可視化することができなかった。今回S Kowalczykowskiたちは、単一分子顕微鏡法によって、RecAフィラメントの核形成と伸長のようすの詳細を明らかにした。このデータは、RecAの結合と伸長の促進に「メディエーター」と呼ばれるタンパク質が必要と考えられる理由を示しており、この考えは、反応に細菌RecFOR複合体を加えることによって確かめられた。
2012年11月8日号の Nature ハイライト
宇宙:太陽系近傍星に発見された地球質量の系外惑星
脳:中脳ニューロンによる報酬と忌避の調節
微生物学:海底堆積物中の細菌が作り出す生きた送電線
生化学:タンパク質の折りたたみをもっと容易に
宇宙:超光度超新星の発見
地球:極運動を抑える力
合成生物学:人工遺伝子回路の複雑性をレベルアップ
免疫:B細胞由来のインターロイキン21
細胞:DNA一本鎖上でのRecAの働き
生化学:piRNA合成におけるZucchini酵素の役割