Nature ハイライト
Cover Story:武器よ、こんにちは:古く始まり長く続いた初期細石刃作製技術は現生人類を優位に立たせた
Nature 491, 7425
現生人類の系統がアフリカに出現したのは20万~10万年前のことだが、現生人類の技術の起源に関する年代のほうは、それほどはっきりわかっていない。C Mareanたちは、南アフリカのピナクルポイント遺跡で見つかった、これまで知られていなかった高度な石器作製技術について報告している。こうした石器は約7万1000年前にまでさかのぼる。石器作製のような人類活動について、これまでに観察された痕跡は、おそらく出土点数の少なさによるのだろうが、出現しては消滅するように見える、あまりはっきりしないものだった。しかし、今回の報告では、この石器作製技術が約1万1000年にわたって継続されたことが示されている。この技術では、熱処理した石から作られた「細石刃」(小型の剥片石器)が主であり、これらは複合的な道具の部品であったと考えられる。槍投げ器、さらには弓矢のような高度な飛び道具もこの技術で作られていたことを示す強力な証拠も得られている。こうした細石刃を使って作製された武器は、現生人類がアフリカを離れ、ネアンデルタール人と遭遇した際に勝利をおさめるのに重要なものとなったのではないかと、研究チームは考えている。(Letter p.590; N&V
2012年11月22日号の Nature ハイライト
微生物:海洋のメタン還元機構
脳:海馬での記憶固定
免疫:Treg細胞依存的な免疫寛容の調節
宇宙:冥王星やエリス並みにわかってきたマケマケの姿
物理:極性分子の光電冷却
材料:リズミカルな自己集合
化学:油–水界面における作用
神経:明暗周期の乱れがうつを引き起こす
細胞:パーキンソン病で見られる細胞核の異常
細胞:免疫細胞運命のキュリン3による調節