Nature ハイライト

気候:エーミアン間氷期の気候の詳細な記録

Nature 493, 7433

今回得られたグリーンランドの氷床コアサンプル。サイズは直径10.2 cm、長さ3.5 m。
今回得られたグリーンランドの氷床コアサンプル。サイズは直径10.2 cm、長さ3.5 m。 | 拡大する

Credit: Sepp Kipfstuhl

グリーンランドの氷床は、質量を失いつつあり、進行中の海水準上昇に寄与しているが、エーミアン間氷期と呼ばれる13万〜11万5000年前の最終間氷期におけるグリーンランド氷床の変化についてはよくわかっていないため、確実性の高い予測ができていない。今回、新しいNEEM氷床コアを使って、エーミアン間氷期の気候記録の復元に成功した。この記録は、この時期が最近の1000年間より8°C暖かい気候であったにもかかわらず、氷床の厚さが数百mしか減少しなかったことを示している。加えて、この氷床コアは、エーミアン間氷期に氷床の中央北部で著しい表面融解が発生したことを示しているが、こうした状況を我々は近々再び見ることになりそうだ。それは、2012年7月にグリーンランドで観測された暖かい気温によってNEEMで形成された融解層によって実証されている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度