Nature ハイライト
生化学:TET2はヒストン修飾を促進する
Nature 493, 7433
TETファミリーの酵素は、DNAの「第5の塩基」と言われている5-メチルシトシン(5mC)を酸化して5-ヒドロキシメチルシトシン(5hmC)のような誘導体にする反応を触媒するため、遺伝子発現を変化させることがある。今回X Yuたちは、TET2がO-N-アセチルグルコサミン化(O-GlcNAc化)を触媒する酵素のO結合型β-N-アセチルグルコサミントランスフェラーゼ(OGT)と会合し、転写開始部位にこれらが共存することを明らかにした。ヒストンH2BのO-GlcNAc化は活性な遺伝子で見られるヒストン標識だが、TET2はこの修飾を行うOGTの活性を亢進させる。したがってTET2は、転写調節に重要だと考えられるDNA修飾に加えて、ヒストンの修飾にも影響を及ぼすことが可能であることがわかった。
2013年1月24日号の Nature ハイライト
気候:エーミアン間氷期の気候の詳細な記録
神経:LTPと記憶について考え直す
宇宙:太陽コロナ加熱を垣間見る
環境:耕作限界地でのバイオ燃料生産
地球:「安定した」断層部分の激しい活動
神経科学:うつに果たす腹側被蓋野ニューロンの役割
細胞:抗がん機構としてのセリン欠乏
構造生物学:風疹ウイルスのエンベロープ糖タンパク質の構造
生化学:TET2はヒストン修飾を促進する