Nature ハイライト
物性:凝縮物質における新しい「hastatic」秩序
Nature 493, 7434
重いフェルミオン化合物URu2Si2には、17.5 K以下の温度に謎の多い「隠れた秩序」相が存在し、この相の特性は25年の間よくわかっていなかった。今回、さまざまな実験的証拠を用いて、17.5 Kで起こる自発的な相転移の性質が明らかにされ、単一と二重両方の時間反転対称性の破れが生じて、ウラン原子の5f2軌道において遍歴伝導電子と局在した「イジング」状態の混合が起こるという結論が得られた。これは基本的に新しい種類の秩序であり、ラテン語のhasta(槍)からhastaticと名付けられた。この現象は、f軌道状態との混合が起こるほかの系にも適用できる可能性がある。
2013年1月31日号の Nature ハイライト
物性:凝縮物質における新しい「hastatic」秩序
細胞:ミトコンドリア遺伝子の置換
構造生物学:スプライソソームの作用機構の解明
宇宙:惑星の行く末を探る
材料:生体模倣高分子ネットワーク
環境:後退する熱帯の泥炭地帯
遺伝:ヒアリでは社会性染色体が女王の数を支配する
細胞:Rag GTPアーゼはmTORC1のための栄養センサー
細胞:リンゴ酸酵素とp53の相互作用
構造生物学:V1-ATPアーゼの回転機構