Nature ハイライト
構造生物学:V1-ATPアーゼの回転機構
Nature 493, 7434
液胞型H+-ATPアーゼ(V-ATPアーゼ)は、真核生物の細胞で細胞内の膜や細胞膜を通過するプロトン輸送とATPの加水分解を共役させる生体分子回転モーターである。V-ATPアーゼは多くの細胞内過程で機能しており、骨粗しょう症やがんなどの疾病の重要な薬剤標的となっている。今回、腸内連鎖球菌Enterococcus hirae由来のV1-ATPアーゼの複数のX線結晶構造が報告され、ATPがタンパク質に結合した際に起こるコンホメーション変化が明らかになった。また、この膜タンパク質の回転機構のモデルが、これらの構造に基づいて提案されている。
2013年1月31日号の Nature ハイライト
物性:凝縮物質における新しい「hastatic」秩序
細胞:ミトコンドリア遺伝子の置換
構造生物学:スプライソソームの作用機構の解明
宇宙:惑星の行く末を探る
材料:生体模倣高分子ネットワーク
環境:後退する熱帯の泥炭地帯
遺伝:ヒアリでは社会性染色体が女王の数を支配する
細胞:Rag GTPアーゼはmTORC1のための栄養センサー
細胞:リンゴ酸酵素とp53の相互作用
構造生物学:V1-ATPアーゼの回転機構