Nature ハイライト
環境:後退する熱帯の泥炭地帯
Nature 493, 7434
熱帯の泥炭地帯には陸上有機炭素の大規模なプールが存在するが、一部の地域では、森林伐採、排水、火事による撹乱のために、大気中二酸化炭素の排出源に変わってしまっている。今回、インドネシアの原生泥炭湿地林と撹乱を受けた泥炭湿地林から1年間に流出する河川有機炭素が定量された。その結果、撹乱を受けた泥炭湿地林からの総河川有機炭素流量は原生泥炭林より50%多く、その大部分が泥炭柱の深層に由来する数百年〜数千年前の炭素であることが明らかになった。無視される場合が多い河川炭素喪失の項を泥炭地帯の炭素収支に含めると、撹乱を受けた泥炭地帯から失われる総炭素量の見積もりは22%増大した。
2013年1月31日号の Nature ハイライト
物性:凝縮物質における新しい「hastatic」秩序
細胞:ミトコンドリア遺伝子の置換
構造生物学:スプライソソームの作用機構の解明
宇宙:惑星の行く末を探る
材料:生体模倣高分子ネットワーク
環境:後退する熱帯の泥炭地帯
遺伝:ヒアリでは社会性染色体が女王の数を支配する
細胞:Rag GTPアーゼはmTORC1のための栄養センサー
細胞:リンゴ酸酵素とp53の相互作用
構造生物学:V1-ATPアーゼの回転機構