Nature ハイライト
遺伝:ヒアリでは社会性染色体が女王の数を支配する
Nature 493, 7434
ヒアリ(Solenopsis invicta)の生活するコロニーには、大きく異なる2つの型が見られる。ワーカー(働きアリ)の上に複数の女王アリが君臨するコロニーと、女王アリが1匹だけのコロニーである。この社会構成の違いは、1個のメンデル型遺伝因子の制御下にある遺伝子群によっている。今回、この違いにかかわるゲノム領域の大規模解析が行われ、意外にも、この社会構成の多型のさまざまな側面を支配しているのは、1本の染色体の半分を占める、組換えの起こらない「超遺伝子」であることがわかった。この領域の働きは性染色体に非常によく似ている。これらの知見から、遺伝的再編成を局所的に制限することによって、多くの遺伝子が一緒にかかわって起こる社会的行動の差異が維持される仕組みが明らかになった。
2013年1月31日号の Nature ハイライト
物性:凝縮物質における新しい「hastatic」秩序
細胞:ミトコンドリア遺伝子の置換
構造生物学:スプライソソームの作用機構の解明
宇宙:惑星の行く末を探る
材料:生体模倣高分子ネットワーク
環境:後退する熱帯の泥炭地帯
遺伝:ヒアリでは社会性染色体が女王の数を支配する
細胞:Rag GTPアーゼはmTORC1のための栄養センサー
細胞:リンゴ酸酵素とp53の相互作用
構造生物学:V1-ATPアーゼの回転機構