Nature ハイライト
構造生物学:スプライソソームの作用機構の解明
Nature 493, 7434
転写で生じたmRNA前駆体から発現に先立ってイントロンを除去する複合体であるスプライソソームのコア部分は、mRNA前駆体上に並んだ複数のRNA–タンパク質複合体で構成されている。Prp8は、このようなコア複合体の1つのU5 snRNPに含まれるタンパク質で、イントロンの切断が起こる活性部位を含んでいる。長井潔(MRC分子生物学研究所)たちは、U5 snRNPの集合因子Aar2と結合した大きなPrp8断片の構造を解明した。この構造から、スプライス部位が活性部位内部にはまり込む仕組みについての手がかりが得られ、真核生物のmRNA前駆体のスプライシング機構と細菌のグループIIイントロンのスプライシング機構は、進化上の起源が同一である可能性が裏付けられた。
2013年1月31日号の Nature ハイライト
物性:凝縮物質における新しい「hastatic」秩序
細胞:ミトコンドリア遺伝子の置換
構造生物学:スプライソソームの作用機構の解明
宇宙:惑星の行く末を探る
材料:生体模倣高分子ネットワーク
環境:後退する熱帯の泥炭地帯
遺伝:ヒアリでは社会性染色体が女王の数を支配する
細胞:Rag GTPアーゼはmTORC1のための栄養センサー
細胞:リンゴ酸酵素とp53の相互作用
構造生物学:V1-ATPアーゼの回転機構