Nature ハイライト
宇宙物理学:合体する大質量スターバースト天体
Nature 498, 7454
HXMM01系は、重力レンズ効果を受けた一対の星形成銀河で、ハーシェル重層的系外銀河探査(HerMES)で初めて見つかった。今回、この系の多波長観測によって、約110億年前に起きた銀河の衝突合体の様子が捉えられた。現存する大質量楕円銀河の大部分はこの時期に形成されている。こうした出来事は、宇宙論的な時間スケールでは短寿命といえ、観測されることはまれである。合体しつつあるこれらの銀河では、1年につき太陽質量の2000倍という星形成率で星が作られている。ガスだまりは2億年以内に空になる可能性が高く、その頃までには、大質量楕円銀河はすでに生成されてしまっているだろう。
2013年6月20日号の Nature ハイライト
工学:成功したディスプレイ
発生生物学:タンパク質gumbyは直鎖状ユビキチンに特異的な脱ユビキチン化酵素である
神経科学:神経変性疾患の治療標的
構造生物学/免疫:cGASによるDNA感知
宇宙物理学:合体する大質量スターバースト天体
核物理:カルシウムのエキゾチック同位体の質量測定
気候:長石は雲における氷の形成を促進する
古生物学:始祖鳥の復権
医学:HIV-1が細胞死を引き起こす仕組み
生物物理:無秩序なハブタンパク質における調節されたアロステリック効果