Nature ハイライト

気候:長石は雲における氷の形成を促進する

Nature 498, 7454

アフリカ上空で撮影されたダストストーム(砂塵嵐)の様子。
アフリカ上空で撮影されたダストストーム(砂塵嵐)の様子。 | 拡大する

Credit: Dr Kelly Baustian

乾燥地帯から発生する鉱物ダストのエアロゾルは、過冷却雲での氷の形成のきっかけとなり、雲の放射特性、従って気候に影響を及ぼし得る。こうしたダストの主な成分である粘土鉱物は、氷晶核形成に最も強い影響を及ぼす粒子であるとも考えられている。しかし、B Murrayたちは今回、ダストの微量成分である長石鉱物が、鉱物ダストによる氷晶核形成を支配していることを示した。さらに、特定の温度では、地球の大気中の氷晶核の大部分を、長石粒子が占めている可能性も示唆している。長石の含有量は変動し得るため、ダストの供給源となる場所が変わると、大気中の氷晶核の濃度が変化し、それに伴って気候への影響も変化する可能性がある。

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