Nature ハイライト
古生物学:始祖鳥の復権
Nature 498, 7454
この20年間に、羽毛を持つ獣脚類恐竜が中国で次々と発見されたことで、鳥類の進化や飛翔の起源に関する考え方は大幅な見直しを迫られており、象徴的な化石である「始祖鳥」が現生鳥類の祖先からやや離れたところに位置するのではないかという意見まで出されている。しかし、中国遼寧省の髫髻山(Tiaojishan)累層(ジュラ紀中・後期)で見つかった別の鳥類様恐竜により、始祖鳥は系統図で従来通りの場所に位置付けられることになった。新たな系統解析により、始祖鳥は初期に分岐した鳥群として復帰し、トロオドン科は配置替えされて鳥群の姉妹群となった。これらの解析結果は、ジュラ紀中・後期のアジアでは鳥類が早くから多様化したことや、鳥類の前肢が推進する羽ばたき飛行が単一の起源を持つという説と一致する。
2013年6月20日号の Nature ハイライト
工学:成功したディスプレイ
発生生物学:タンパク質gumbyは直鎖状ユビキチンに特異的な脱ユビキチン化酵素である
神経科学:神経変性疾患の治療標的
構造生物学/免疫:cGASによるDNA感知
宇宙物理学:合体する大質量スターバースト天体
核物理:カルシウムのエキゾチック同位体の質量測定
気候:長石は雲における氷の形成を促進する
古生物学:始祖鳥の復権
医学:HIV-1が細胞死を引き起こす仕組み
生物物理:無秩序なハブタンパク質における調節されたアロステリック効果