Nature ハイライト
生物物理:無秩序なハブタンパク質における調節されたアロステリック効果
Nature 498, 7454
細胞の機能は複雑なシグナル伝達ネットワークを基盤にしている。このネットワークにはシグナル伝達のハブとなるタンパク質が含まれ、これらは複数の相手と相互作用して下流の多数のシグナルを調節している。今回、そのようなハブの1つ、アデノウイルスのがんタンパク質E1A(early region 1A)について、新しい単一分子FRET測定法を用いることで凝集の問題が克服され、E1Aと2つの重要な結合相手とのアロステリック相互作用が直接調べられた。その結果、複数の相手との相互作用に加えて、E1A相互作用モチーフのどれが使われるかも関係するという、予想外の協同性調整機構が明らかになった。このようなアロステリック相互作用の調節は、本質的に無秩序なハブタンパク質に共通する特性なのかもしれない。
2013年6月20日号の Nature ハイライト
工学:成功したディスプレイ
発生生物学:タンパク質gumbyは直鎖状ユビキチンに特異的な脱ユビキチン化酵素である
神経科学:神経変性疾患の治療標的
構造生物学/免疫:cGASによるDNA感知
宇宙物理学:合体する大質量スターバースト天体
核物理:カルシウムのエキゾチック同位体の質量測定
気候:長石は雲における氷の形成を促進する
古生物学:始祖鳥の復権
医学:HIV-1が細胞死を引き起こす仕組み
生物物理:無秩序なハブタンパク質における調節されたアロステリック効果