Nature ハイライト
医学:HIV-1が細胞死を引き起こす仕組み
Nature 498, 7454
免疫の重要な調節因子であるCD4+ ヘルパーT細胞がHIV-1感染によって殺されてしまうことは知られているが、HIV-1が細胞死を引き起こす仕組みはわかっていなかった。今回G Nabelたちは、HIV-1の組み込みがCD4+ T細胞死を誘導するのに必要かつ十分であること、また組み込みが、DNA修復機構の一部であるDNA依存性プロテインキナーゼ(DNA-PK)活性化とp53のリン酸化を介して細胞死を誘導することを明らかにしている。この研究は、HIV感染者でウイルスのリザーバーが構築される仕組みを説明するのに役立つと思われ、またインテグラーゼ、もしくはDNA-PK阻害剤による治療がCD4細胞の生存を延長しエイズ発症を遅らせる可能性を示唆している。
2013年6月20日号の Nature ハイライト
工学:成功したディスプレイ
発生生物学:タンパク質gumbyは直鎖状ユビキチンに特異的な脱ユビキチン化酵素である
神経科学:神経変性疾患の治療標的
構造生物学/免疫:cGASによるDNA感知
宇宙物理学:合体する大質量スターバースト天体
核物理:カルシウムのエキゾチック同位体の質量測定
気候:長石は雲における氷の形成を促進する
古生物学:始祖鳥の復権
医学:HIV-1が細胞死を引き起こす仕組み
生物物理:無秩序なハブタンパク質における調節されたアロステリック効果