Nature ハイライト

医学:HIV-1が細胞死を引き起こす仕組み

Nature 498, 7454

免疫の重要な調節因子であるCD4+ ヘルパーT細胞がHIV-1感染によって殺されてしまうことは知られているが、HIV-1が細胞死を引き起こす仕組みはわかっていなかった。今回G Nabelたちは、HIV-1の組み込みがCD4+ T細胞死を誘導するのに必要かつ十分であること、また組み込みが、DNA修復機構の一部であるDNA依存性プロテインキナーゼ(DNA-PK)活性化とp53のリン酸化を介して細胞死を誘導することを明らかにしている。この研究は、HIV感染者でウイルスのリザーバーが構築される仕組みを説明するのに役立つと思われ、またインテグラーゼ、もしくはDNA-PK阻害剤による治療がCD4細胞の生存を延長しエイズ発症を遅らせる可能性を示唆している。

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