Nature ハイライト
医学:結核菌が生き続ける仕組みを解明
Nature 499, 7457
結核は消耗性がとりわけ高い疾患だが、その理由の1つとして、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)が持つ、数か月から数十年もの間、宿主の体内で無症状のまま生き続ける能力が挙げられる。結核菌の45以上の転写因子のChIP-Seqゲノムマッピング解析を、同じ因子を系統的に過剰発現させた発現データと合わせて用いることにより、結核菌が生き続ける基盤となる調節ネットワークのシステム全体にわたる再構築が行われた。このネットワークから、低酸素への適応と脂質代謝の間の結びつきが明らかになった。これらはどちらも結核の発病機序に重要だと考えられている。また、今回の報告では、これまで研究されてこなかった転写因子Rv0081がネットワークの制御ハブであることが明らかにされた。
2013年7月11日号の Nature ハイライト
細胞生物学:足場タンパク質の役割は支えることだけではない
生化学:RNA結合タンパク質の標的
医学:結核菌が生き続ける仕組みを解明
宇宙:見えない惑星はたぶんそこにはない
光学:鏡を使わない光閉じ込め
気候:気候制御のための制限対象を広げる
遺伝:円石藻エミリアニア属のゲノムから明らかになった高い多様性
分子生物学:マラリア原虫の多様な見せかけ
再生医学:爪が指の再生を制御する
細胞生物学:脂質スイッチによるエンドサイトーシスの制御