Nature ハイライト

医学:結核菌が生き続ける仕組みを解明

Nature 499, 7457

結核は消耗性がとりわけ高い疾患だが、その理由の1つとして、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)が持つ、数か月から数十年もの間、宿主の体内で無症状のまま生き続ける能力が挙げられる。結核菌の45以上の転写因子のChIP-Seqゲノムマッピング解析を、同じ因子を系統的に過剰発現させた発現データと合わせて用いることにより、結核菌が生き続ける基盤となる調節ネットワークのシステム全体にわたる再構築が行われた。このネットワークから、低酸素への適応と脂質代謝の間の結びつきが明らかになった。これらはどちらも結核の発病機序に重要だと考えられている。また、今回の報告では、これまで研究されてこなかった転写因子Rv0081がネットワークの制御ハブであることが明らかにされた。

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