Nature ハイライト

宇宙:見えない惑星はたぶんそこにはない

Nature 499, 7457

若い星を取り巻くデブリ円盤は、太陽系のカイパーベルトと同じもので、その円盤に見られる構造は未発見の惑星が及ぼす重力の影響の証拠だと一般的に考えられている。今回、W LyraとM Kuchnerは、惑星存在のしるしと考えられている細くて離心したリングなどの特徴が、塵とガスの相互作用だけで説明できることを示した。従来の解析の多くでは、デブリ円盤に少量のガスが存在することが無視されていた。今回のモデルでは、フォーマルハウトと呼ばれる近傍の星を取り巻くデブリ円盤に存在すると推測されている惑星対がこれまでなぜ見つかっていないのか、それを説明できる可能性がある。もしこの系に十分なガスがあれば、観測されている環のパターンが生じるのはそのためであって、未発見の惑星のためではないかもしれないのである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度