Nature ハイライト
応用物理学:細胞用のナノ温度計
Nature 500, 7460
1度未満の温度分解能を持つ上に、生きた細胞に組み込むことのできるナノスケール温度計があれば、さまざまな生物・医学研究分野で新しい強力な手段となるだろう。今回、まさにそれを実現する新しいナノスケール温度測定用プローブが報告されている。この温度計は、ダイヤモンドナノ結晶中の窒素空孔色中心の量子操作を利用している。窒素空孔色中心は単一電子スピンを持ち、局所温度に敏感に依存する特定の蛍光特性を示す。そして、200 nmという空間分解能で温度を正確に測定できることが示された。また、1個のヒト胚性繊維芽細胞にナノダイヤモンドと金ナノ粒子を導入することによって、細胞より小さいレベルで温度勾配の制御とマッピングが実証されている。
2013年8月1日号の Nature ハイライト
医学:遅発性アルツハイマー病の発症
宇宙:球状星団の年代と金属量の関係
応用物理学:細胞用のナノ温度計
材料科学:伸縮性を持つナノ粒子導体
海洋学:赤道太平洋における季節サイクル
発生:プラナリアの再生能力を制御する
細胞:エピジェネティックな記憶と多能性
生物物理:トリガー因子がタンパク質の誤った折りたたみを防ぐ仕組み
構造生物学:意外な塩基対形成がリボソームをだます